
開店から1か月が経過しました。
30日間の営業が大きなトラブルなくできました。おおきにありがとうございます。
ここまでなんと毎日何かしらの売り上げを記録しています。数百円から数千円という範囲ですが、とにかく毎日お客さんに来ていただき、何冊か何品かお求めていただいての達成です。これはおおかたの予想を覆す奮闘ぶりです。「古本が毎日売れるなんて信じられん」「こんな田舎に本屋、それも古本屋を開いて」という声も直接お聞きしました。
たしかに本屋をめぐる状況は厳しいものがあります。エルピスしものせきは名実ともに「本州最西端の古本屋ブックマンション」ですが、実はこの地域の「独占企業」でもあります。当店は響灘にそって走る国道191号線沿いにあるのですが、北は長門市までの間に本屋さんはありません。南は下関市の中心部まで行かないと本屋さんに出会えないのです。内陸部に数軒書店の看板を掲げているところがありますが、教科書の取次や雑誌、漫画の棚がある程度であとは文房具と生活雑貨といった構成に、地元の人も「本屋まだやってるんかあ」と。
おそらくこの状況は日本全国の田舎に共通するものでしょう。専門書店は本当に姿を消しました。コンビニやスーパーに雑誌類の棚がある程度です。コンビニやスーパーなど望むべくもない地域が増えています。
しかし、まだまだ本を欲している人々はたくさんおられます。興味津々店をのぞかれ、しばしネットサーフィンならぬ書棚逍遥を楽しんで帰られる人も。「あー、この棚私の感性に合うかも」「この人の棚の本の作者全員知らん」「懐かしい。この本読んだ時すごく感動した」・・・・・。いろいろなつぶやきが店内を満たします。
店番の人との語らいが一時間も続く日もあります。
もちろん、儲かる営業ではありません。テナントのオーナーの理解と厚い支援のおかげと人件費のかからないブックマンション形態だから可能なのです。とにかく宣伝です。SNSでの発信はもちろん、地域へのフライヤーポステイング、口コミ、マスコミへの報道依頼・・・・。考えつくこと思いつくことはみんなやっていきます。まずは半年の入居契約が更新されるこの夏に退去店舗がないようにと願うばかりです。

