岳更けて銀河激流となりにけり
岳更けて銀河激流となりにけり
台風一過の青空の下で2024年の8月終了です。福田蓼汀の句を思い出し、その昔の山歩きを懐かしむ方もいるかなあと。
2024.8.31
8月は酷暑のせいかパリ五輪にのせいか、はたまた昔から言われている「夏枯れ」なのかこれまでに比べると来店者、売り上げともに「残念」な月になりました。長い人生で初めての起業につきどう乗り越えていけばいいのかよく分からずあれこれ模索中です。
そんな中でも、東は神奈川、山梨、東京、西は大分などにお住いの方が来店くださったりと、「本と人の交差点」での出会いは広がりました。
絵本や木造建築の技術書を買ってくださった日本人家族は実に興味深いご家族でした。30歳くらいのご夫婦は最近までオーストラリアで働いていました。男性はその前はドイツでワーホリも。今回、妻の出産のために日本に帰ってきました。子どもが生まれるまでは関東の山村で木こりをしていたそうです。今は生後2ヶ月の赤ちゃんと3歳の子どもを連れて日本中を車で旅しているのでした。すごいですね。
「ノマドとかいいですよね。世界中働きながら回りたいです。」「日本で生きていくのなら田んぼやりたいですね。家も自分で建てたい」と。それで木造建築の技術書なのでした。女性は「職業訓練校で大工や左官の技を習得したい」とも。語り合っていてとても楽しかったです。出世とか金儲けとかのにおいが全然しません。子育てを、結婚生活の全てを楽しんでいるようでした。
若い人よ、若いうちに外へ出よう。青年よ旅に出よう。沢木耕太郎のように、ゲバラのように、宮本常一のように。当店主人は遅すぎました。60過ぎて世界一周ひとり旅とかしてみましたが、50カ国にフットスタンプの目標はCOVID19パンデミックで叶わず。やはり若いうちですよ。東京の方は、こどもさんの夏休み6回で全都道府県を完全走破したそうで、山口県がラストだとか。店があるからかなう新しい出会いです。使い古された言葉ですが一期一会の喜びです。店をはじめてよかったと思えた2024年の夏でした。
そして夏8月と言えば、日本はやはり原爆や敗戦の8月です。エルピスも企画展は「日本の戦争」に取り組みました。
「日本が戦争をしたって本当ですか?」「アメリカと戦争したって知りませんでした」という日本の若いひとへ「ついこの間の」歴史を伝えていくのは僕のような年寄りの仕事です。エルピスしものせきは小さな古書店ですから、そんなにたくさんの「戦争を伝える」本を紹介できませんが、忘れぬために・繰り返さぬためにと願って、50冊あまりの「日本の戦争」を並べました。
私たち父母・祖父母・曾祖父母の歩んできた道でもあります。戦争のない、戦争をしない道がずっと先まで続きますように。展示した本の中から10冊近い本を買っていただきました。来店された方と店番の棚主の間でそれぞれのファミリーの戦争が語り合われる場面もいくつもありました。
こんなことも「本と人の交差点」でありたい当店の「自己実現」かもしれません。
が、経営は厳しいです。お時間ありましたら是非一度お立ち寄りください。コインランドリーに併設の店ですから、そちらを利用されている時間にもどうぞ。
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